テクノ/ピンチョン

 ちょっと調べもので過去の自分のブログ記事を探してたら、ピンチョンの引用が目にとまった。

This ascent will be betrayed to Gravity. But the Rocket eigine, the deep cry of combustion that jars the soul, promises escape. The victim, in bondage to falling, rises on a promise, a prophecy, of Escape...(この上昇は、裏切りにあって<重力>の手中に落ちるだろう。しかしロケットのエンジンが、魂をゆさぶるこの重々しい燃焼音が、引力圏からの脱出を約束してくれる。落下する運命にある生贄は脱出の約束にしたがって、脱出の予言にしたがって上昇する…)

 The deep cry of combustion that jars the soulってかっけー。となんか今更ですが。Undergound Resistanceがアルバムのエピグラフかなんかにに引用しててもまったく違和感ない。ロン・ハーディが80年代のシカゴのクラブでマーティン・ルーサー・キングの演説を流したしたみたいに、この一節をドスのきいたわるそうな黒人に朗読してもらってフロアに流してみたい。『重力の虹』では00000号の中に詰め込まれるのは黒人のエンツィアーンじゃなくて金髪碧眼のドMの王子様ゴットフリートなわけだけど。
 ovalのマーカス・ポップがどこかのインタヴューで、子供の頃、よくバスの窓の桟に顎をのっけて外を見ていた。そのときに頭蓋骨に伝わってくる振動の気持ちよさがぼくの音楽の根底にあるんだ(超うろおぼえ)的なことをいっていて、よい話だなーと思ったことがあったけど、この感覚に近いものがあるな。