どちらかといえばデモクラシーよりリベラリズムのほうに関心がある最近だけど、こないだ丸善で買った姜尚中テッサ・モーリス=スズキ『デモクラシーの冒険』(集英社新書、2004)を、風邪ひきはじめでボーっとした頭でパラパラめくってみる。まだちゃんと読んでないので内容はおいとくけど、この本なんかおもしろい。イントロで姜氏の文字化けしちゃったメールをのせてみたり、担当編集者が姜さんにFAXでおくった表紙ダミーがのってたり、楽しい凝ったつくりがいい。アメリカやヨーロッパの本にはよくこんなのあるけど、日本の新書でこんなのやるなんて、きっと担当編集者のセンスがいいんだな。二人の交わす会話も、ディレッタントぶらず、ひとつひとつ大事なことをかみしめて確認していくようなかんじで、なんかふと、ミヒャエル・エンデとハンネ・テヒルたちの対談『オリーブの森で語りあう』を読んだときの感触を思い出した。エンデとSPDの政治家や演劇家なんかが政治や社会について語り合った対談で、対談者たちがさまざまな問題について、自分たちのオルタナティブな生きかたはどうしたら可能かということについて、等身大の言葉で語っているのがとても新鮮だった。ドイツの社会は風通しがいいんだなあとおもった。あの本は80年代後半だったか(※1982年でした。対談についてはたとえばここ参照)。日本もだんだんそんなかんじになってきてるなあ、とぼんやりおもったり。30日のトーク&サイン会いってみようかなあ。