追記(6/5)

あとよく分からないのは、どのくらい行けば地球の引力圏から抜け出せるのかということ。ロケットはそのために11.2km/sの速度が必要という話だけど、高度100kmまでいけば無重力になってもう落ちないの?おしえて物理のえらいひと!もしくはシャア・アズナブルとその思想に萌えてるひと!00000号は引力圏から脱出できたのか。小説では上昇の極点に達した瞬間(「一番星がゴットフリートの両足に吊りさがる」)、場面は切り替わり、映画でいえばエンディングロールに入っていってしまう(EDの後に流れる+αのシーンといったほうがいいかも)。この最終章はなんど読んでもゾクゾクする。畳み掛けるような<上昇>のイメージ。これは小説冒頭の繰り返されるロケットの下降のイメージにちょうど対応している。00000号とゴットフリートの運命について、しかし、ピンチョンはすこし前の部分(エンジン点火の瞬間)でこんなふうに書いてる。「この上昇は、裏切りにあって<重力>の手中に落ちるだろう。しかしロケットのエンジンが、魂をゆさぶるこの重々しい燃焼音が、引力圏からの脱出を約束してくれる。落下する運命にある生贄は脱出の約束にしたがって、脱出の予言にしたがって上昇する…This ascent will be betrayed to Gravity. But the Rocket eigine, the deep cry of combustion that jars the soul, promises escape. The victim, in bondage to falling, rises on a promise, a prophecy, of Escape...」。やはり<約束>は裏切られるのか。あるいはそれとも…