週末は1日1食で過ごす

tweakk2007-01-14

 どう考えても寝すぎです。なんか吐き気にも似た眠気だったのがすこしおそろしい。このところなんか後頭部が重かったし…。
 田川氏の本を読了。後半の章はちょっと冗長な感じがしたけど、全体としてはやはり良い。著者の関心は、古代末期の地中海世界キリスト教はどうしてあれだけ受け入れられたのか、西欧文化の精神的基盤としてのキリスト教の思想的本質は何か、ということに向けられている。シンプルである。テーマは創造論・隣人愛・救済論・終末論の4点にしぼられているが、それに精密な文献学的分析とあまり知られていない歴史上のエピソード(ストア派キリスト教をつなぐギリシアユダヤ人についてとか、ドイツ農民戦争のシュヴァーベン12か条の話とか)がさしはさまれ、論点は豊富だ。時事放談的なこだわりのなさと学者的厳密さのまざりぐあいが独特で、凡庸な解説書とちがってなんともよい。“原罪”と“典礼”について記述がない(パウロ神学については少しあったか)のが残念だったけど、これはまあ他の本をあたればいいか。

(追記)
 もう一つ著者に独特なのは、当時の経済社会についての関心だ。古代資本主義における賃金労働、神殿経済、海上交易について。そういう経済社会の中でキリスト教のもった“解放的”意味というのが推しはかられていく。小難しい神学議論をされるより説得力がある。前のエントリでウェーバーの名前をだしたけど、宗教と経済社会という観点が重なったからだ。
 関連の本をメモがわりに。

コンスタンティヌス大帝の時代―衰微する古典世界からキリスト教中世へ

コンスタンティヌス大帝の時代―衰微する古典世界からキリスト教中世へ