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J・デューイ『ドイツ哲学と政治』

序章の「ヒトラーの国家社会主義における一元的世界」を読む。ヒトラーはシェリングやカントやヘーゲルについて一片の知識も持ちあわせてはいないけど、にもかかわらず両者には共通したとこがある、というまあよくある話。この素朴さに比べるとブルデューの…

ファウスト第二部読了、二人の手塚

やっぱり手塚富雄訳はすばらしかった! 先日の『三文オペラ』の演出をされた白井晃さんはファウストも手がけてたんだな(『ワルプルギスの音楽劇 FAUST《ファウスト》』2003.06@世田谷パブリックシアター)。ぜひとも観たかった。 そして手塚治虫の『ネオ・…

電車で河合訳『ハムレット』読了。バロックなんだよなあ。 5日延滞の『時をかける少女』をようやくみる。いい話だし風景はとってもいいしゴルトベルクはうまく使われてるしスカートは短くて女の子はみんなかわいくて素晴しい素晴しいけど、、、なんか前向き…

紀元4世紀、属州北アフリカのビジョナリー

アウグスティヌスはピューリタニズムの創始者として、プラトンとも共通する点があります。 ドキリとする文章だ。ピューリタニズム?プラトン? なるほど。キリスト教はここで決定的な曲がり角を曲がったという気がする。パウロからはどれくらい離れたのか?…

エルヴェ・ルソー『キリスト教思想』を駆け足で読了。原著は1973年か。クセジュではありがちなフランスへの偏りもなくとてもよくまとまっていた。西洋思想はキリスト教と切り離せないというのはこういうことだったのねと今さらながらいろいろ納得する。神学…

週末は1日1食で過ごす

どう考えても寝すぎです。なんか吐き気にも似た眠気だったのがすこしおそろしい。このところなんか後頭部が重かったし…。 田川氏の本を読了。後半の章はちょっと冗長な感じがしたけど、全体としてはやはり良い。著者の関心は、古代末期の地中海世界でキリス…

キリスト教再考

田川建三『キリスト教思想への招待』を読み途中。ウェーバー並みにおもしろいですよほんと。話が脱線しまくってしょっちゅう厨房化するのでわらっちゃうんだけど。なんでだか知らないけど僕はキリスト教は現世軽視の精神態度だとおもいこんでた。秘儀として…

フランチェスカ・リア・ブロックの短編「マンハッタンのドラゴン」をよむ。この人はほんとうに詩人だ。アメリカの文学の深い部分にしっかりと根ざしてる、という感じがする。たくさん出てくる固有名詞のどれにもアレゴリーの魔法がかかっている。喜び、悲し…

注文していた"dtv-Atlas Bibel"(Deutscher Taschenbuch Verlag, 2004)がきのう届く。dtv - Atlas Bibel.作者: Annemarie Ohler出版社/メーカー: DTV Deutscher Taschenbuch発売日: 2004/08メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る ドイツの文庫…

アガンベン・インタビュー

シュピーゲル(2006年9号)のアガンベンのインタビューを読んだ。2ページの短いもの。内容はまあおいといて、印象に残るエピソードがひとつ。南フランスでハイデガーのゼミナールに参加したことのあるアガンベンに、老レヴィナスがハイデガーの印象をたずね…

梅棹忠夫『知的生産の技術』

たけくまメモで紹介されていた本書を今ごろこっそり読了。なるほどなるほどいい本。フラーのように合理的で創造的で、ダダイストみたいにラディカルで徹底的で、教養人のユーモアがたっぷり。デューイのように人間の経験と伝達と適応の力を信頼していて、レ…

西荻古本屋めぐり

帰りに発見した超素敵な古本屋3軒(にわとり文庫、HEARTLAND、あと1軒忘れた)でまたもいろいろ買いこむ。宗教学・神話学関係に自然と手が伸びるのは論文の方向がそっちへむかっているせい。買った本をリストアップしてみたが、並べてみたらなんかあまりにも…

ヘルマン・ヘラー『ドイツ現代政治思想史』の続き。 「東プロイセンで始まった[シュタインとハルデンベルクの自由主義的]改革事業が成果を収めたさらなる理由は、ケーニヒスベルクの賢者の精神で訓育され、東プロイセンの故郷の大学でアダム・スミスの著作を…

っと、またずいぶん間があいてしまった。日々が飛ぶようにすぎてく。なのに休みは寝てばっかりだ。 先日図書館で発見したヘルマン・ヘラー『ドイツ現代思想史』(御茶ノ水書房、1981)はかなりの良書ぽい。原書は1926年だが、内容はまったく古くない。パラパ…

といいつつ電車では野田昌吾の続きを読んでいたりする。逃避だ。 ここでまず問題にしなければならないのは、ドイツ・ルター主義の転回についてである。ルター主義は、周知のように、人間を霊的(内的)な存在と身体的(外的)な存在とに区別し、外的行為に対…

待ち合わせまで微妙に時間があったので、古本屋の木犀堂に寄ってみる。山室静訳のヤコブセン全集があったので、心を奪われる。リルケが絶賛してやまなかったデンマークの作家。「マルテの手記」を大事に大事に読んでいたぼくは、ヤコブセンの本もなんとかし…