フランチェスカ・リア・ブロックの短編「マンハッタンのドラゴン」をよむ。この人はほんとうに詩人だ。アメリカの文学の深い部分にしっかりと根ざしてる、という感じがする。たくさん出てくる固有名詞のどれにもアレゴリーの魔法がかかっている。喜び、悲しみ、怒り、再生。いろいろな感情の振幅、魂のくるしい成長の儀式を通過して、読みおえると、旅から帰ってきたような気持ちになる。そうかそういえば「マンハッタン」にもヘッセの名前がでてきたっけ。中学校の国語の教科書にこういうのを入れればよいのにな。