スピルバーグ「ミュンヘン」
夕方彼女にバースデープレゼントを渡しにトコトコ川崎まででかける。中身には自信があるのである。なにしろISBN:4052019121:405201913Xである。この本は植物の写真もすばらしいが、各国の紹介の文章がすばらしいのである。あげちゃったのでもうよく覚えてないけどアルメニアとかアルメニアとか。フフフ。
ラチッタデッラをちょっと歩いてから疲労気味の彼女を先に返して「ラーメン道」のイタリア麺を一人で食べる(うんまい!)。そのあとシネマチッタで「ミュンヘン」を鑑賞。
ぼくにとっては70年代の各国の風景が観られただけでもう最高に満足なのである。ミュンヘン・エルサレム・ジュネーヴ・ローマ・パリ・キプロス・ベイルート・アムス・N.Y.…。光・色・デザイン・空気。よかったわ〜。でもパンフレットのプロダクションノーツをパラパラのぞいたら「70年代の美的感覚は極力除いた」とある。そうなの?そうかも。控えめなかんじがよかったのかな。
話自体はふーんというかんじ。結局ヒューマンドラマにしてしまうのもなあ。切り口としてはル=カレの二番煎じ的な感じがどうしてもしてしまうし。70年代でテロで組織で各国放浪でというとアントニオーニの『さすらいの二人』がダブってきて、やっぱりこっちの方が相当際どいところに肉薄していて各段に上、だと思うのだけど。アントニオーニのあの感覚はいまだにうまく消化できずにいる。あれを書けたらとおもうのだけど。