夜、BS−1のドキュメンタリー「ハイチ・貧困の中で強く生きる双子の兄弟の10年 」を見る。はーおもしろかった。いい映画を見たときの爽快感と同じだ。見ているあいだいろいろな名前が次々に思い浮かんでくる。ニール・スティーブンソンの「スノー・クラッシュ」(男の子の身軽さが<特急便屋>とダブる)、トマス・ピンチョンの「ワッツへの心への旅」(スラムの風景と光)、フォークナー(「アブサロム・アブサロム!」のハイチ)、ボブ・マーリー(いうまでもない)、ラルフ・エリソン「見えない人間」、高木正勝「beautiful world」(あれはキューバだったかな)、ホミ・バーバ、堀田善衛キューバ紀行」…。「ぼくは優しくなりたいんだ」と双子の弟。「デモクラシーとは分けることなんだ。それができればこの国はきっとよくなる」。子供の洗礼式にみんなが身なりを整えてやってくるのがよかったな。意外といい服でせいいっぱいおしゃれをして。帽子や靴や白い背広。番組の最後、ボートの上でじゃれる二人の仕草はまるでライオンの兄弟みたいだった。製作者に拍手。