フィリップ・ジャンティ・カンパニー「世界の涯てLands End」@パルコ劇場

 平日なのに、14:00の回なのになんでこんな人がいるんだー!とたじろぎつつも、開演20分前の当日券で、両側に人がいない席でゆったりと観劇できたのでよかったよかった。
 いろんなことと感じたり考えたりしたけど、うまくまとめられないな。
 演出のアイディアは、全体的に、正直なとこ意外と平凡だなと思った。よくできたwebデザイン、作りこんだflash動画みたいで、既視感があった。トリッキーな所作もフーンという感じで意識を通過していってしまう。妙にメディア・コンシャスなところも若干鼻についた。
 しかし、やっぱり人形の演出は素晴しかった!ツイスト(?)をゆっくりコミカルに踊る大きな男女(その大きさがまた微妙で良い)もよかったが、なんいいってもあのキモイ虫!というか蟲!あの蟲と女性のアダジオは圧巻だった。毛の生えたイヤーな感じの三枚羽を絶妙なタイミングでブルブル震わせながら舞台空間を自在に飛び回ってパ・ド・ドゥをやっていた。あれは人生だ。男女の真実だ。いやすごいものを見た。あれぞ舞台。
 強烈な感動と白々した感想がまざりあっててうまくまとめられないんだけど、結局、全意識開放でほとんど身じろぎしないで見終えてしまった。昨日あんなに疲れてイライラと強張っていた身体がリラックスしてグンニャリと軽くなったのを感じる。開演前にアレルギー性鼻炎でグズグズやっていたのに、見終わったらすっかり症状がおさまっていた。芸術ってすごい。めいっぱい拍手した。
 帰りにひさしぶりにflying booksに寄る。カウンターで、僧侶の人が店の人?と打ち合わせをしていた。ザルツブルクにほどちかいチロルの山の中に寺があるという話を耳にしてへーと思う。本を2冊購入。その後地元に戻って勉強会参加。