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 また帰りに丸善に寄ってお買い物。
M.D.ノウルズ『キリスト教史4:中世キリスト教の発展』(平凡社ライブラリー、1996年)
有島武郎選・訳『ホイットマン詩集:草の葉』(岩波文庫、1934年)
ぶ。これ昭和9年にもう岩波文庫で出てたのか。岩波文庫の赤にも酒本雅之氏の訳で『草の葉』3巻本があるけど、有島の訳のほうが味があっていいな。「大道の歌」の冒頭は、酒本訳では

心も軽く徒歩でぼくは大道に出る、
健康で、自由で、世界がぼくの前にあり、
望みのところへ連れ出してくれる長い褐色の道がぼくの前にあり。

有島訳では

脚にまかせ、心も軽く、私は大道を闊歩する、
健全に、自由に、世界を目の前に据えて、
私の前の黒褐の一路は、欲するがままに私を遠く導いてゆく。

 酒本訳は分かりやすくて平明だけど、ちょっと心にひっかからないかんじ。そういえば、両親の古い友人のカトリックの神父が以前、ぼくに有島をすすめてくれたのだけど、そのカトリックの祈りの言葉も、最近分かりやすい日本語にはなったけど、趣きをなくしてしまったような。