きのうのアニメ夜話は抜群におもしろかった。宮台氏、大森氏、出渕氏、みんなツボをおさえた話がいい。「イノセンス」も時間がたってからきっとよい作品だと思えてくるでしょうと最後に宮台氏。ほんとだろうか。ほんとだったらすごいな。あと出渕氏若いのにびっくり。それに比べて今日のはちょっとつまんなかったな。大林監督の話のあのつまらなさはちょっとすごい。身悶えた。NHKの番組としてはあれでバランスがとれるんだろうが。
で、岡田氏がパトレイバーの組織の描き方のリアルさについてコメントをしていたが、それで思い出したのはやはり「重力の虹」だ。この小説の難解さの一つの原因となってるのが、各登場人物が絡み取られている組織の書き方なんだろうと思う。カフカ的に複雑で、詳細に設定され、同時に大胆に省略して書かれる組織図と人物相関図。大抵の読者が躓くのは、これについていけなくなるからではないか。ポリティカルなセンスというのもあるのだろう。でも登場人物を単なる話のコマとすることなく、かれら一人一人の人生にどれだけ感情移入できているか、というだけの話でもある。やれポストモダンだメガノベルだのといわれるピンチョンのすごさは、しかし、結局ここなのだという気がする。小説を読んでいてむかつくのは、作者が登場人物の人生をいいかげんに扱っているときだ。