弐瓶勉BLAME!」読む。うぼおおおあああああああ…。なんで、なんで今までこれを素通りしてきたんだろう?こここんな作品をずっと読みたかったのに?この圧倒的なテクノ・マテリアリズムと廃墟のような構造物のスケール感。すんげー!ギブスンや攻殻でさえ(「銃夢」はもちろんブレードランナーもそれをパクったボトムズ・ウド篇も)生ぬるいヒューマニズムに思えてくる。目的もはっきりしない幽霊のごとき彷徨の連続はブランショの「アミナダブ」みたいだし、彷徨感とタワーの閉塞感といえば、鈴木直人ドルアーガ三部作も強く連想する(とくに<運送屋>のシーン。タッチが虎井安夫のイラストに似てなくもない)。メトロイドゼビウスなど、幼心に強烈な印象を残した初期FCのSFの世界観の独特な無機質感・荒涼感や暴走したバイオ・テクノロジーの不気味さもある(細野さんは当時これに敏感に反応していた)。それから寺沢武一コブラのメタル感・ガンマニア的感覚、銀河鉄道999の異文明感覚…。あーほかにはなんだ?いやはや、作者はこれ描いてるあいだずっと狂っていたにちがいないな。神経を研ぎ澄ませて別の次元にいっちゃってたんだろう。読んでるあいだ頭の中でずっと不穏なグリッチ・ノイズが響いてた。